ケアマネのつぶやき

閉じこもり生活を解消

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【はじめに】

今回独居による閉じこもり生活から低体力・意欲低下に陥り、認知力の低下・身体機能の低下が見られたが、閉じこもり生活を解消できた事により症状が改善したケースを経験したので若干の考察を加え報告する。

 

 

【事例紹介】

A氏  1人暮らし 75歳  男性

要介護2  既往歴:肺がん術後・高血圧

 

 

【生活歴】

長年農家として働いてきた。

性格は頑固で人の意見を中々聞かない面がある。

5年前より妻と離婚され一人暮らしをされてきた。

平成27年8月脱水と栄養失調により入院・その後退院されたが冬期間の閉じこもり生活により意欲の低下・お酒を毎日昼夜関係なく飲むことにより食欲の低下・脱水症状による意識レベルの低下が見られ、数か月間お風呂に入らない生活が続いていた。

本人はデイサービス利用する事を拒否されていたが離れて住んでいる娘の説得により週1回デイサービスを利用する事になる。

 

 

【ケアプラン】

脱水による意識レベルの低下から脱水の改善を目標に水分1500㏄以上・3食しっかり食事をとれていない事から栄養1500kcal・閉じこもり生活により活動量が確保されていない事から屋外歩行訓練・PRを取り組む事にする。

社会交流が少ないことから通所利用時に他者と交流が取れるようにした。

またデイサービスに対する拒否が見られる事から信頼関係を築けるように本人との面会を多くするようにした。

 

 

【ケア方法・展開】

利用開始時、週に1回のデイサービスを利用されたが、休みがちだった為に自宅へ訪問し本人の話を聞きながら信頼関係を築いていった。

お酒を飲む習慣は変わらず時には意識朦朧とし会話にならない時もあった。

配食で弁当を頼んでいたが手を付けず残している事も多くデイでの食事も食欲がなく残す事が多かった。

3か月後休みがちな利用が続くが徐々に信頼関係を築くことが出来るようになり自宅でのお酒の量も少しずつだが減っていた。

しかし食事量が少なく体重の減少が見られた。

4か月後通所利用は本人・介護者と相談し週2回に変更した。

他利用者・職員との交流により意欲の向上も見られるようになった。

食事量のムラが少なくなりしっかり摂取することが出来るようになってきた。

5か月後、週に数回本人の介護の為に娘が自宅へ通っていたが距離が遠いこともあり娘の家族と同居する事になった。

栄養状態が整い通所ではリハビリを継続していたこともあり歩行状態が改善しふらつきが見られなくなってきた。

また以前は通所内で外出する事を嫌がる傾向が見られたが外出レクにも参加するようになってきた。

休みの日には娘と一緒に孫の部活の試合を見に行くなど意欲の向上が見られるようになってきた。

現在まだ実現できていないが、釣りや畑仕事をしたいなどの今後の希望を話すようになり元気に過ごす事が出来ている。

 

 

【結果】

  利用当初 3か月後 5か月後
水分(cc)DS 450 740 1,100
食事(kcal)1日平均 960 1,200 1,500
BMI 18 16.2 18
排泄 1 1 1
TUG(秒) 17.2秒 14秒 12.5秒

 

 

【考察・まとめ】

閉じこもりには身体的要因・心理的要因・環境的要因があるとされている。

今回の事例では脱水・低栄養による身体的要因・入院をきっかけに自分に対しての劣等感が芽生えてしまった心理的要因・近隣との交流がなく孤立した環境的要因が閉じこもりを招いたと考えられる。

閉じこもり生活は低活動を招き、心理的にも刺激の少ない生活になってしまう。

今回この閉じこもり生活が改善できた事により意欲が向上し普段の生活も改善できたと考えられる。

今後の目標として本人が以前から行っていた畑仕事や釣りが再開でき出来るように援助していきたいと思う。