学会資料

パワーリハにより、閉じこもりの解消、動作性が改善した事例

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1.はじめに

本事例は、閉じこもりだった人が、パワーリハビリを通して体力・動作性が向上し、行動変容に至った事例を若干の考察を加え報告する。

2.事例紹介

・氏名:T氏
・年齢:78歳 女性
・要介護度:H27.3要介護2→H27.8要支援2
・既往歴:H27.1右大腿部骨頚部骨折、H24.11憎帽弁閉鎖不全症、H23.H24.H25頚部・背部圧迫骨折、H23.肺水腫、H5関節リウマチ

3.生活歴

結婚し2人の子を授かる。H市に住み夫が経営する時計店の店番をしていた。H11年に夫が死去。その後T市の長男の所に同居となり、長男夫婦と孫2人の5人で生活している。これまで何度も入退院を繰り返し自宅へと戻っていたが、H27年1月、自宅で転倒し再び入院となる。退院後、自宅で入浴が出来ない事と就労している家族に迷惑を掛けず自分でできることは、継続して行ないたいとの思いが強く、動作性の改善の為H27.3からDSの利用となる。主介護者は長男。

4.ケアプラン

長男夫婦と同居になり、知人が近くにおらず外出の機会が減り閉じこもりの生活となる。その為、ふらつきが強く体力の低下・自宅での転倒が増え、骨折し入退院を繰り返す。退院後更に体力・ADL低下、また自宅での入浴が困難となった為、水・飯・くそ・運動の基本ケアを行い、動作性の改善・筋肉の再活動化・体力の改善を図る為に、パワーリハビリ・歩行訓練300m、水分1400ccとする。身長145cmで体重29.3㎏、BMI13.93で低栄養と考えられる為、食事量の管理をする。また、DSにて社会交流を図る事を目的とする。

5.ケア方法と展開

当初は車椅子での送迎だった。初回水分550cc歩行0m体力の関係でリハビリ5機種行う。利用から10日後に自宅で転倒する。その後に体に負担がないこと、転倒防止にはリハビリを行い身体機能の改善が必要だと理解して頂きパワーリハビリも2回目以降6機種行うことができた。水分量を増やす為に定期的な水分の提供と活動量を増やす為に付添での歩行訓練を実施する。DSだけでなく、自宅での水分量も一日1400ccに増やしていただく。

4月には車椅子ではなく、歩行で乗車できるようになる。活動量・水分量・栄養のバランスが摂れてきたことにより、意欲が上がり数字も上がってくる。

5月に、肺水腫の為水分制限があると主治医よりあり、相談のもとDSで1300ccと目標を変更する。リハビリと歩行訓練を行い、転倒がなくなってきた。水分、栄養も活動量の増加により増えてきた。5月、サークル活動としてカラオケにも参加出来る様になった。

7.8月、足湯(700m)まで散歩にいけるようになる。さらにグランドゴルフにも参加し何ホールか回ることができるようになった。DS利用日以外の日でも、自宅では家庭菜園や、近所のスーパーにも出かけるようになった。

活動範囲が広がり11月のDSの旅行にも参加できT氏も自信がついてきた。

6.結果

パワーリハにより、閉じこもりの解消、動作性が改善した事例

閉じこもりだった生活から、DSを利用することにより水分・栄養・運動がバランスよく摂れたことと、サークル活動へ参加し他者との交流を図れるようになったことで、意欲・体力の向上につながったと考えられる。

7.まとめ・考察

竹内は「パワーリハビリには、体の動作・体力を改善する物理的な改善ルートと精神・心理的な改善ルートがあり、これらが重なり合い相乗的に作用して最終的な行動変容へといたる」と述べている。今回、パワーリハビリで全身の不活動筋を再活動化することにより、動作性の改善につながった。立ち上がり動作・歩行動作が改善され体力が付いてきた。また、庭での作業や、近所のスーパーに買い物へも出かけるようになった。外出をすることにより、閉じこもり防止と意欲の向上につながった。

しかし、今回の反省点として、初回の分析の甘さと日々の分析の甘さがあった。水分制限があるにも係わらず水分量を設定してしまった。自宅での目標水分量を上げ切れなかった等あった。今後は普段の体調にも注意し、社会復帰へつなげて行きたい。

 

発表者:新井 一樹(介護員)
    伊藤 愛理(生活相談員)
    遠藤 裕妙華(介護員)